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商談後30分でここまでできた——生成AIを使った営業フォローの一部始終

商談後30分でここまでできた——生成AIを使った営業フォローの一部始終

パンハウスインサイト編集部
2026.07.09

30分の打ち合わせが終わった。

相手は、AI導入を検討しているある企業の担当者だ。ツールの乱立、ベテランのノウハウ属人化、交代勤務で全社研修が難しいこと——課題は多岐にわたり、長期的には「ベテランの知識をAIに学習させてエージェント化する」という構想まで話が広がった。

打ち合わせを終えてすぐ、Claudeを開いた。以下は、その後30分で何が起きたかの記録だ。

なぜ「打ち合わせ直後」にAIを使うのか

営業フォローには「鮮度」がある。

打ち合わせ直後ほど、相手も熱量があり、話の内容が双方の記憶に残っている。しかし現実には、お礼メールを送るだけで翌日になり、提案資料の着手は週末に——ということが起きがちだ。AIを使う最大の理由は「スピード」ではなく、この鮮度を失わないことにある。

STEP1:お礼メールの下書きをつくる

打ち合わせで話した内容を箇条書きでClaudeに渡した。

  • 課題の確認(ツール乱立・属人化・ルール未整備・交代勤務対応)
  • 先方が関心を持っていたポイント(汎用ツールを1本に絞る考え方、研修の進め方)
  • 送付したい資料(研修概要・サービス資料・無料トライアルの案内)

指示はシンプルだ。「このスレッドへの返信として、お礼と資料送付のメールを下書きにいれておいて」。

Claudeはメールの文面を生成するだけでなく、Gmailのスレッドを特定し、返信下書きとして直接保存するところまでやった。人間がやったのは、文面を読んで「送信」を押すことだけだ。

STEP2:提案資料の骨子をつくる

フォローメールを終えたあと、先方が役員に上申するための提案資料が必要だと判断した。

「先方が上申するときにPDFの資料があったほうがいい」——この一言を起点に、Claudeに骨子の作成を依頼した。渡した情報は打ち合わせで聞いた課題と、先方が描いていた構想(短期・中期・長期の3段階)だ。

出てきた骨子は10ページ構成だった。

ページ内容
P1表紙
P2先方の現状と課題(打ち合わせ内容をそのまま言語化)
P3目指す姿(短期・中期・長期の3段階)
P4導入の基本的な考え方(汎用ツール1本から始める理由)
P5導入ロードマップ(3ステップ)
P6研修プログラムの内容
P7パンハウスが選ばれる理由
P8導入事例(先方の課題と親和性の高い3社)
P9費用と助成金(企業区分別の試算)
P10スケジュールと次のステップ

特筆すべきはP2だ。「打ち合わせで先方が話していた課題」を、役員が読むための言葉に翻訳している。担当者がそのまま上申に使える資料として機能するよう、読み手を「決裁者」に設定して文章を組んでいる。

この骨子の確認・修正に要した時間は5分ほどだ。

STEP3:デザイン用のmdファイルに落とす

骨子が固まったら、次はデザインツールに渡せる形に整える。

「この骨子をもとにClaude Designに入れる構成として、proposal.mdをダウンロードフォルダに作って」——この一言で、各ページのコピーが実文章化されたMarkdownファイルが生成された。

箇条書きの意図メモではなく、そのまま資料に載せられる文章。各ページのデザインメモ(P3は階段図、P5はロードマップ図、P9はビフォーアフター型)も添えられている。料金数値は社内の公式データ(200社以上・受講者4,000人以上・満足度95%以上)を参照して反映済みだ。

生成されたファイルに目を通し、数カ所の表現を人間が手で修正した。AIの出力をそのまま使うのではなく、最終的な判断は人間が行っている。

ここまでで、打ち合わせ終了から約30分。しかもこの間ずっと張り付いていたわけではない。指示を出してAIが動いている待ち時間には、別の作業を並行して進めている。

STEP4:Claude Designでスライド資料に仕上げる

proposal.mdをClaude Designに渡すと、テキストがそのままスライド資料として出力される。

パンハウスでは社内のDesign Systemをあらかじめ設定しているため、フォント・カラー・レイアウトが毎回同じ形式で揃って出てくる。デザインのルールを一度決めてしまえば、以降の資料作成でブランドの一貫性を保つための手間がゼロになる。

Claude Designとは Anthropicが提供する資料・スライド生成ツール。テキストやMarkdownを入力すると、整ったビジュアルのスライドや文書として出力される。Design Systemを事前に登録しておくことで、色・フォント・構成のルールを引き継いだまま毎回一貫したデザインで生成できる。

実際の成果物(サンプル)

以下が、この日に作成した提案資料のサンプルだ。

人間がやったのは「指示」と「確認」だけ

整理すると、この30分で完成したものはこうだ。

  • お礼メールの下書き(Gmailスレッドへの返信として保存済み)
  • 10ページの提案資料骨子
  • デザインツールにそのまま渡せるMarkdownファイル
  • Claude Designで仕上げた10ページのスライド資料

人間がやったのは3つだ。①打ち合わせで聞いた内容を箇条書きで渡す、②骨子を読んで「これでいい」と判断する、③必要に応じて修正指示を出す。

文章を「ゼロから書く」時間はゼロだった。それどころか、AIの出力を待つ時間すら空いている。この30分は、実際には他の作業をこなしながらの30分だった。

変わるのは「速さ」だけではない

こうした体験を積み重ねると、商談に対する心理的なハードルが変わる。

「提案資料を作るには時間がかかる」という前提が崩れると、「とりあえず打ち合わせしてみよう」という判断が軽くなる。フォローの質が上がり、案件の鮮度が保たれ、次のアクションが早くなる。AIが変えるのは一つひとつのタスクの速さだけでなく、営業全体のリズムだ。

生成AIを「便利なツール」として個別タスクに使うのか、「業務の流れそのもの」に組み込むのか——その差が、じわじわと積み重なっていく。

なお、ここで人間がやった「骨子を読んで判断する」進め方を型にした資料作成の手順はAIを使った資料作成のコツに、この一連の流れを毎朝自動で回すところまで踏み込んだ話はClaude Codeが毎朝6時に営業準備を終わらせる仕組みにまとめている。

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